『「夜明け前のうた」上映・講演会(原監督らによるトークセッション)』
日時:12月1日(水)13:30~16:00(受付13時~)
場所:沖縄市役所地下2階大ホール
※ホールでは、実際の私宅監置の写真展示も予定しております。映画と併せてご覧になれます。
(※観覧無料・事前予約制 先着50名)
【問合せ先】沖縄市障がい者基幹相談センター(098-894-6120)
※以下、公益社団法人沖縄県精神保健福祉会連合会ホームページより抜粋 http://www.okifukuren.org/
人間の尊厳の問題です
「私宅監置」をご存知でしょうか。
1900 年に制定された「精神病者監護法」に基づき、精神障害者を自宅敷地内の小屋などに隔離した制度のこと。
人は誰でも、脳の病気の症状によって幻覚妄想が活発化し、支離滅裂な行動を起こしてしまうことがあります。しかし日本社会は、そうした症状で苦しむ患者の人間性ではなく行動異常性に注目し、治安維持のため、周囲の人たちの安寧のため、隔離を正当化しました。
犠牲者は存在を否定され、人生を奪われ、尊厳が傷つけられました。制度が廃止されて当事者が監置小屋を出た後も、隔離の事実は隠され続けました。損なわれた尊厳は今なお、回復されていないのです。
加害者は誰でしょうか?
歴史的な積み残しがたくさんある国、日本。
例えば日本軍「慰安婦」問題は、組織的な戦争犯罪ですが、日本政府は未だ犠牲者への正式な謝罪を行わず、納得しない犠牲者は今もアジア各地で怒りの声を上げています。私宅監置の問題も、歴史的積み残しの一つです。
日本では1950 年に私宅監置は禁止されましたが、 米軍統治下の沖縄では1972 年まで残りました。隔離という暗黒に生きるしかなかった沖縄の精神障害者を、戦後日本は見棄てたとも言えます。取材で訪れた西アフリカでは、今も精神障害者の隔離拘束は行われていました。しかし、日本のように隔離を法律で定め、制度として行ってきたことは世界的にも稀です。
歌は伝えています
20 年にわたって私宅監置されていたある女性は、よく歌っていたそうです。歌を通して、彼女に一筋の救いの光が訪れていたことを願わずにはいられません。
自由を根こそぎ奪われても、誰も奪い取ることのできない光が、彼女の心に息づいていたことを願います。
今なお、居場所がなく孤立している精神障害者は大勢いますが、それは私宅監置の過去と地続きです。形を変えた私宅監置は至る所にあります。
過去の過ちと向き合い、検証し、犠牲者やその家族に謝罪し、償う。そこから出発しない限り、日本は永久に未来を切り開くことはできません。
制作スタッフ
監督:原義和
語り:宮城さつき 音楽:白川ミナ 歌:恵理歌 創作舞踊:Danzatakara.
題字:川満アンリ プロデューサー:中橋真紀人
制作:イメージ・サテライト
制作協力:映画『夜明け前のうた』制作実行委員会(高橋年男 山田圭吾 糸洲のぶ子 小林嘉則 玉木一兵)
一般社団法人 障害者映像文化研究所 公益社団法人 沖縄県精神保健福祉会連合会
2020年/日本/60分/カラー